形の文化誌 出版案内

「形の文化誌」[6]シンボルの物語 詳細情報

文化誌01

形の文化誌[6]

形を遊ぶ

 

 


税込価格 2730円(本体2600円)
A5判 364頁 1999.3

唐草模様など染織に表される植物模様の変遷、江戸の変化アサガオの遺伝学的考察をはじめ、花と昆虫、万葉集、韓国の花紋、芸能など、花と形をめぐる論文集。

 

目次

◇講演
講演[1]染織における植物模様  長崎 巌
◎染織に表れる意匠化された植物模様と、エキゾチックな渡来文化の受容の仕方に見る日本人の感性。
講演[2]世界の花文化における万葉集の特質 湯浅浩史
◎『万葉集』には、古代人の花に対する感覚の高さや鋭さが表現されている。世界にも類のない「花を愛でる心」を読む。
講演[3]江戸の変化アサガオ──園芸美の追求 米田芳秋
◎江戸庶民の間で大ブームとなった日本独特の変化アサガオ。その園芸美への関心を、美麗な図譜とともに文化史的側面からさぐる。
講演[4]花と昆虫  湯本貴和
◎植物の面白さはその複雑な多様性にある。形態から見えてくる植物の驚異的な戦略とは?

◇feature articles 花と華
日本の紋様にみる花の造形   三井秀樹
韓国の花紋の造形的考察──パルメット形式を中心に  金 孝卿
芸能における花の役割  渡辺知也
花  夏原晃子
球面上の花  小川多恵子+小川 泰
 
◇for-u-m 形の文化をめぐるエッセイと論文
荒川 紘   なる・うむ・つくる宇宙  
ロバート・マンリー  東洋からの衝撃6──日本の伝統芸術と建築対近代デザイン運動 
石垣 健   造形ノート──「造形譜」への私的アプローチ
中川素子   絵本に描かれたグレート・マザー
金子 務   星型多角形の文化と受容──聖と呪の象徴図形 再論
辻元佳史   軍艦“艦橋”の研究
小川正浩   エミリ・ディキンスンとジョセフ・コーネルをめぐる七つの断片
岩淵 輝   生きている根、揺らぐ電場
出原立子   哲学的思考の図的表現──三浦梅園の図を中心に
藤田志具麻  形で見る世界の都市パターン
三井直樹   モンドリアンの作品にみるフラクタル幾何学
古川 博   空間構成と意味──桂離宮庭園の場合
鈴木邦雄   構成主義と楽曲の形──エイトール・ヴィラ=ロボスのギター独奏曲における構成主義的性格
福田真実   知覚経験の本質──部分と全体について
竹沢攻一   惑星が誘った形(二)
門田園子   エドワード・ウィリアム・ゴドウィンのジャポニスム
三倉克也  「場」のかたち──その構造と生成について
桃谷好英   ピカソの折り紙を見たことがありますか?
吉永邦治   ペルセポリス残影──遺産・遺物からイメージされる古代ペルシャについての考察
米田守重   サンボにおける関節技の形
角田 茂   知識と知恵
重田貴修   万物照応の蓮華のコスモロジー
あだちがびん 変わったかたちのモノロジー──中国少数民族の暮らしから
渡辺良平   南京東路の光華──第一百貨商店のショーウインドー
桑原由里子  手の礼讚
マカダム幸子 魂には形がある──5
 
◇形の四面体 キーワード解説
◎認識──小町谷朝生  猫と目
◎数理──宮崎興二  伏羲と女カと三+五=八
◎思想──金子 務  思想──世阿弥の花智と初心
◎表象──前田富士男  「浮遊」する建築
 
◇形のプロムナード 時事評
◎前田富士男  科学と芸術の出会い──逢坂卓郎による宇宙線のアート
◎小川 泰   榎本和子展「無限のヴィジョン・8面体──A・デューラー“メレンコリアI”」
 
◇形の本棚 書評
三倉克也/宮崎興二/十川治江
 
◇information 「形の文化会」から
活動記録/役員一覧/形の文化会趣旨/『形の文化誌』について